コレラ菌の症状と治療

コレラ菌は現在でも度々発生する激しい下痢を主症状とする感染症である。
空気感染はなく、コレラ菌が混入した飲食物の経口摂取による感染がメインとなる。
また、感染者の吐しゃ物などに触れ、間接的に経口摂取に至るケースも珍しくない。
これは、ノロウイルスなどと同様である。

●最初の流行
最初の流行は、1817年、インドのベンガル地方で大発生したものとされており、アジアを中心に世界規模での感染となった。
その後8年間にわたって猛威をふるったが、1823年にようやく沈静化した。
ところがその6年後、再びインドで発症し、前回は被害を受けなかったヨーロッパにまで飛び火する大規模な流行となった。
コレラの原因究明に至ったのは、実に約60年後の1876年、ドイツの医師、ロベルト・コッホ氏によって、炭疽菌が原因である事が究明された。
コレラ菌によるパンデミックは、数年の流行と終息を繰り返しながら、歴史上大きく分類して7回は発生していると考えられている。
現代社会においてもコレラは終息しておらず、パンデミック的には1961年にインドで発生した第7次パンデミックの延長としてとらえられている。

●コレラの感染原因
コレラで最も感染源となりやすいものが、感染者の排泄物である。
普通は人の排泄物に触れる事はない為、感染はしにくいが、時折野菜などの食品を、経口摂取する事で感染する事が多い。
特に飲食店従業員感染者の場合、大量の食中毒を起こす事がしばし起きている。

●症状と診断
コレラは感染すると、2~3日の潜伏期間を経た後、突然激しい吐き気と下痢の症状を起こす。
診断には2~3日かかり、コレラ菌が検出された場合、直ちに保健所に届け出る必要がある。

●治療
コレラに感染すると、大量の水分を失う為、脱水症状を引き起こしやすくなる。
そこで、まず大量に失った水分補給と、電解質を補う必要がある。
最も効率よくこれらを吸収するには、スポーツドリンクが適している。
後は周りへの感染予防として、用をたした後は必ず消毒作用のある潜在などでよく手を洗う必要がある。